Instagram(インスタグラム)、X(旧Twitter)、TikTok(ティックトック)、Facebook(フェイスブック)、YouTube(ユーチューブ)などのSNSの広告やメッセージをきっかけに、LINE(ライン)のグループなどに誘導されて投資を勧められ、お金をだまし取られる「SNS型投資詐欺」について、手口、見分け方、被害に遭ったときの対応(口座凍結・返金)、弁護士へのご相談をまとめました。名古屋・愛知に拠点を置く当研究会の弁護士が、被害に遭われた方からよく寄せられる質問にお答えします。ご覧になりたい質問をクリック(タップ)すると、回答が開きます。
SNS型投資詐欺の手口
Q1SNS型投資詐欺とは、どのような詐欺ですか。
SNSやインターネット広告などをきっかけに知り合った相手から、投資に関する助言をするなどと持ちかけられ、投資名目でお金をだまし取られる詐欺です。 実際には投資は行われておらず、振り込んだお金は詐欺グループに渡ってしまいます。
Q2LINE(ライン)の投資グループに誘われました。どのような流れで被害に遭うのですか。
典型的には、次のような流れをたどります。 ・SNSやウェブサイトの投資広告、SNSのメッセージなどから、LINEなどのメッセージアプリに誘導される ・「投資の勉強会」などと称するグループに招待され、「アシスタント」などから投資を勧められる ・指示されたアプリやサイトで「口座」を開き、指定された口座にお金を振り込む ・アプリ上では利益が出ているように表示され、さらに追加の入金を勧められる ・出金しようとすると、「手数料」「税金」「保証金」などの名目でさらに支払いを求められ、結局お金は戻ってこない
Q3FacebookやInstagramの投資広告では、著名人の名前や写真が使われていることがあります。こうした広告は本物ですか。
著名な経営者や投資家、経済評論家などの名前や写真を無断で使った広告が、SNS型投資詐欺の入口として多く使われています。 著名人が個人的にLINEで投資を指導することは、通常考えられません。広告をきっかけにLINEなどへ誘導された場合は、詐欺を強く疑ってください。
Q4ロマンス詐欺とは、どう違うのですか。
ロマンス詐欺(SNS型ロマンス詐欺)は、SNSやマッチングアプリで知り合った相手が、恋愛感情や親近感を抱かせたうえで、投資などの名目でお金をだまし取る詐欺です。 「二人の将来のために投資しよう」などと持ちかけ、偽の投資サイトや暗号資産(仮想通貨)の取引に誘導する手口がみられます。お金をだまし取られる仕組みは、SNS型投資詐欺と共通しています。
Q5被害は、どのくらい起きていますか。
警察庁の発表によると、令和7年のSNS型投資詐欺の認知件数は9,538件、被害額は約1,275億円でした(暫定値)。 令和8年上半期(1月〜6月)も、認知件数は5,893件、被害額は約798億円(暫定値)と、前年同期を大きく上回っています。 最初に犯人と接触したSNSは、Instagram(23.8%)が最も多く、X(旧Twitter)、LINE、TikTok、Facebook、YouTubeが続きます(令和8年1月〜6月)。特定のSNSだけが危ないわけではありません。一方で、被害に遭ったときの連絡手段は96.0%がLINEで、最初は別のSNSで知り合い、途中でLINEに誘導されるのが典型的な流れです。 出典:警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」、警察庁「令和8年上半期における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)」、警察庁「SNS型投資詐欺」
詐欺の見分け方
Q6詐欺を疑うべきポイントはありますか。
次のような点があれば、詐欺を強く疑ってください。 ・「必ずもうかる」「元本保証」「月利○%」など、うますぎる話をされる ・SNSの広告やメッセージから、LINEなどのグループに誘導される ・振込先が、個人名義の口座や、投資と関係のなさそうな会社名義の口座である ・振込先の口座が、入金のたびに変わる ・出金しようとすると、「手数料」「税金」「保証金」などを請求される ・「今だけ」「急いで」と決断をせかされる
Q7相手の業者が正規の業者かどうか、確認する方法はありますか。
金融商品の取引を業として行うには、金融商品取引業などの登録が必要です。金融庁のウェブサイトでは、登録を受けた業者の一覧や、無登録で金融商品取引業を行っている業者への警告が公表されています。 ただし、実在する正規の業者の名前をかたる詐欺もあります。業者名だけで判断せず、少しでも不審な点があれば、お金を振り込む前に相談してください。
被害に遭ったら(初動)
Q8だまされたと気づいたら、まず何をすればよいですか(警察・銀行・弁護士)。
まず、それ以上お金を振り込まないでください。そのうえで、できるだけ早く次の対応をとってください。 ・やりとりの記録や振込の記録を保存する(Q11参照) ・警察に相談する(緊急でない相談は警察相談専用電話「#9110」でも受け付けています) ・振り込んだ先の金融機関に連絡し、詐欺の被害に遭ったことを伝える ・弁護士に相談する ・相手方とのやりとりを時系列にしたがって整理する(時系列メモを作成する) 時間がたつと、振り込んだお金が引き出されてしまうおそれが高くなります。早めの行動が大切です。
Q9「出金するには手数料(税金)が必要」と言われました。払えばお金は戻ってきますか。
戻ってこない可能性が極めて高いといえます。 出金を求めた段階で「手数料」「税金」「保証金」などの支払いを求めるのは、SNS型投資詐欺の典型的な手口です。支払ってもお金は戻らず、さらに別の名目で支払いを求められることが多くみられます。支払う前に、必ず相談してください。
Q10振り込んだ先の口座を凍結して、お金を取り戻すことはできますか。
振込先の口座が詐欺に使われたと認められれば、金融機関が口座の取引を停止(凍結)することがあります。被害者ご本人や警察からの連絡のほか、弁護士から金融機関に対して、口座の凍結を求めることもできます。 凍結された口座に一定額以上のお金が残っていれば、振り込め詐欺救済法の手続(Q12)に基づいて、そのお金が被害者に分配されることがあります(被害回復分配金)。被害者が分配金の支払いを受けるためには申請をする必要があります。 さらに、事案に応じて、裁判手続(訴訟提起、仮差押え命令申立て等)を行って被害金の取り戻しを目指します。 なお、詐欺グループは入金された直後にお金を口座から出金して口座の残高をゼロにすることが多いですから、被害に気づいたら速やかに対応することが大切です。
Q11証拠として、何を残しておけばよいですか。
次のようなものを、可能な範囲で保存しておいてください。 ・LINEなどのやりとりの画面 ・きっかけになった広告やSNSの投稿の画面 ・投資アプリやサイトの画面、URL ・振込の控え、通帳、ネットバンキングの取引履歴 ・暗号資産で送金した場合は、送金の記録(送金先のアドレスなど) 相手からアカウントを削除されることもあるため、気づいた時点で画面を保存しておくことが大切です。
Q12振り込め詐欺救済法とは何ですか。
「犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律」(いわゆる振り込め詐欺救済法)は、詐欺などに使われた預金口座を凍結し、その口座に残っているお金を被害者に分配する手続を定めた法律です。SNS型投資詐欺で振り込んだ場合にも、この手続によって一部が戻ってくることがあります。 ただし、分配されるのは口座に残っている金額の範囲に限られるため、被害額の全額が戻るとは限りません。
弁護士へのご依頼・ご相談
Q13被害金は、必ず取り戻せますか。
残念ながら、必ず取り戻せるとはいえません。詐欺グループが特定できない場合や送金したお金がすでに移されてしまい回収見込がない場合など、回収が困難な事案も少なくありません。 他方で、被害回復分配金の申請手続や裁判手続(訴訟提起、仮差押え命令申立て等)が功を奏して被害金の相当部分を回収できる事案も一定数あります。 結局のところ、回収の見込みは、送金の方法、時期、振込先の口座の状況などによって大きく異なります。だからこそ、できるだけ早い段階でご相談いただくことが大切です。
Q14「被害金を取り戻せる」という業者や探偵から連絡がありました。信用してよいですか。
十分に注意してください。詐欺の被害者を狙って、「返金できる」「被害金を回収できる」などと持ちかけ、調査費用や着手金の名目でお金をだまし取る「二次被害」が起きています。 弁護士や弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で被害回復の交渉などを行うことは、法律で禁止されています。また、弁護士を名乗る広告であっても、「必ず返金できる」などと強調するものには注意が必要です。依頼する前に、相手が弁護士かどうか、所属する弁護士会などを確認してください。 こちらもご参照ください:国際ロマンス詐欺等の案件を取り扱う弁護士や探偵の業務広告にご注意ください! 最近では、銀行振込ではなく暗号資産(仮想通貨)で送金している事案において、調査会社が「詐取された暗号資産(仮想通貨)を追跡できる」「追跡すればお金を取り戻せる」「早く追跡しないと取り戻せなくなってしまう」と急かされて高額な調査費用を請求されるという事案も報告されていますので、ご注意ください。
Q15相談できますか。どんな資料を持っていけばよいですか。
ご相談いただけます。Q11で挙げたやりとりの画面、振込の控えや通帳、送金の記録などをお持ちください。 名古屋投資被害弁護士研究会は、昭和58年の発足以来、投資被害や消費者被害の救済に取り組んできた弁護士の研究会です。 ご相談は面談で行います(30分までごとに5,500円(税込))。お申し込みは、相談方法のページの法律相談申込フォームからお願いします。
