銀行や証券会社で「定期預金より利率が高い」などと勧められることのある「仕組債」について、仕組み、種類、リスク、損失を受けた場合のご相談をまとめました。ご覧になりたい質問をクリック(タップ)すると、回答が開きます。
仕組債の基本
Q1仕組債とは何ですか。
「仕組債」とは、オプション(デリバティブ)が組み込まれた債券です。 通常の社債や国債は、満期まで持てば額面どおりの金額が返ってくるのが基本ですが、仕組債は、株価や株価指数、為替などの「参照指標」の動きによって、利率や満期に返ってくる金額(償還金額)が変わる仕組みになっています。 見た目の利率(クーポン)が高く設定されていることが多い一方で、参照指標の動き次第では、利率が大きく下がったり、元本を大きく割り込んだりすることがあります。
Q2仕組債は、なぜ利率が高いのですか。
仕組債の多くは、通常の社債に「オプションの売り」を組み込んでいます。購入した方は、知らないうちにオプションの売り手となり、その対価として受け取るオプション料が、金利に上乗せされています。これが、仕組債の表面利率が高く見える理由です。 つまり、高い利率は「おまけ」ではなく、株価の下落などのリスクを引き受けた対価です。ところが、多くの場合、この点について十分な説明はされていません。
Q3利率が高いのなら、有利な商品ではないのですか。
高い利率が満期まで続くとは限りません。 たとえば、当初の利率が年10%の日経平均リンク債でも、日経平均株価が一定の価格より下落すると、利率が年0.1%のような低い水準に下がり、満期の償還金額も日経平均株価の下落率に応じた金額しか戻らない(元本割れ)ということが起こります。 表面利率(年10%)だけを見て有利な商品だと判断するのは危険です。
代表的な仕組債の種類
Q4EB債(他社株転換可能債)とは何ですか。
EB債は、Exchangeable Bond の略で、発行体とは別の会社(他社)の株価を参照する債券です。 満期までに参照する株価が一定の水準を下回ると、満期に現金ではなく、値下がりしたその会社の株式で償還されることがあり、株価下落の損失をそのまま負担することになります。
Q5株価指数リンク債とは何ですか。
日経平均株価などの株価指数に連動する債券です。 株価指数が一定の水準(「ノックイン価格」などと呼ばれます)を下回ると、利率が低くなったり、満期の償還金額が株価指数の下落率に応じて減ったりします。
Q6株価リンク債とは何ですか。
個別の会社の株価を参照する債券です。 仕組みは株価指数リンク債と似ていますが、一つの会社の株価に左右されるため、値動きがより大きくなりやすい特徴があります。
Q7為替連動債とは何ですか。
外国為替相場に連動する債券です。 円高が進むと、利率が下がったり、元本が減ったり、外貨で償還されたりすることがあります。
仕組債のリスク
Q8元本割れのリスクはありますか。
あります。参照する株価や株価指数、為替が大きく動くと、満期の償還金額が大きく減ることがあります。 株式で償還されるタイプ(EB債など)では、値下がりした株式を受け取ることになります。
Q9利益と損失のバランスはどうなっていますか。
「利益は限定的、損失は大きい」という性質を持つ商品が少なくありません。 相場が有利に動くと、早期償還条項によって早い段階で償還され、高い利率を受け取れる期間が短く終わることがあります。逆に、相場が不利に動くと、満期まで持ち続けて大きな損失を負うことがあります。
Q10満期の前に売却できますか。
仕組債は、満期前に売却しようとしても買い手が限られるため、売却できなかったり、大きく不利な価格でしか売れなかったりすることがあります。
Q11仕組債を発行した会社が破綻したら、どうなりますか。
仕組債を発行した金融機関などが破綻すると、元本や利息が支払われないおそれがあります(発行体の信用リスク)。
Q12手数料はどのようになっていますか。
仕組債の価格には、販売会社などの利益が織り込まれていることが多く、購入した方からは、実質的なコストが分かりにくくなっています。
仕組債で損失を受けた方へ
Q13リスクについて十分な説明を受けずに購入していました。販売した会社の責任を問えますか。
リスクについて十分な説明を受けないまま購入した場合や、ご自身の知識・経験・財産の状況に見合わない勧誘を受けた場合には、販売した銀行や証券会社の責任を問える可能性があります。 責任を問えるかどうかは、勧誘の経緯、ご本人の投資経験や財産の状況、説明の内容などによって異なります。
Q14仕組債の損失について、相談できますか。どんな資料を持っていけばよいですか。
ご相談いただけます。お手元にある取引報告書、契約締結前交付書面、パンフレット、勧誘時のメモなどの資料をお持ちください。 名古屋投資被害弁護士研究会は、昭和58年の発足以来、証券取引や先物取引などの投資被害の救済に取り組んできた弁護士の研究会です。 ご相談は面談で行います(30分までごとに5,500円(税込))。お申し込みは、相談方法のページの法律相談申込フォームからお願いします。
